クラッシュするのはシステムのせいか

  • 赤って何だ!?

赤いチョーク線、赤い血、異常な赤、救急車のサイレンの赤、充電中の赤、信号の赤、涙に溶けた化粧の赤

昼間っからカフェで「サーチエンジンクラッシュシステム」を読む。結局、探し人は見つからないし、教授の名前も思い出せないししまいにはそのゼミが実在したかさえ曖昧になり、探し当てた店の名前もやっぱり違うし、遭遇した事件の結末もわからないのに、心に誓うのは赤の他人+αの家のTVを接続することだけ。どこまでもばらばらな出来事とか人物が思いつきとかたまたま通りがかったりとかで偶然目に入ったからというだけで容赦なく小説の中に紛れ込んで、それだって作者(宮沢彰夫)の意図はもちろんあるんだろうけど、こういう目的からはずれてしまって、でも頭の片隅にはしっかり目的意識らしきモノはいつもあるのに、誰の意図でもなく迷路みたいな路地みたいな街の形と頭の思考回路が相似形をしながら全然違う場所を彷徨する経験は、ホントに良くあって、というか作者のメッセージ的なものにあらゆる出来事とか人物とかが統合されていくことに対する違和感をいつも感じてしまうことが常に納得いかないよ!と思っていたので、こういうの、待ってました!って思ってたら1999年の初出だと?あらら。

でも、迷路とか路地とかが池袋だっていうのは、池袋音痴な自分にはとても新鮮なこと。住宅街への接続の仕方とかは前から好きだなあと思っていたりしたけど、家からちょっと遠くて、渋谷と新宿にすぐ吸収されてしまうのでね。

  • 宮沢彰夫HP

http://www.u-ench.com/fuji2/index.html

ここに書いてあったが青山真治レイクサイドマーダーケース」が3週間打ち切りだそうだ。悲しくはないけど、そういうもんかと思う。メガヒットしないまでもポテンヒットくらいはね。。これを読んだ数少ない方は、DVDあるいは絶対にどこかで再上映するはずだから観ることがお勧めです。じゃないと、撮影済みの次作がみれないじゃないか。どーするんだよ。吉祥寺と釧路だぞ。