u2world2005-01-17

森美術館「アーキラボ」展。
コールハースのドローイング、リベスキンドの巨大模型、そしてスーパースタジオの人工芝の上に並んだ白タイル状の「ヒストグラム」。そのほかも写真でしか見たことのない、でも飽きるほど見尽くした気でいたドローイングとか模型も。今回は映像も多かった。コールハースのはこんなに小さいんだとか、リベスキンドのは写真よりもコラージュしてある文字や図像への注視ができ数段の存在感だったり、メタボリ一派は精巧な木模型、それに何より聞いたことも見たこともない名前の建築家が多い。「ラボ」だけあって実験精神の過剰さは時には幼稚であったり初期衝動の固まりにも見え、現実にも次々墜落していったのだろうけど、メタボリ一派はその後も墜落せずに良く飛んでいる。
今回はスーパースタジオの白いグリッドが見れたことと、ほとんど知らなかったアルクテクチュール・プランシプ(クロード・パラン、ポール・ヴィリリオ)を見れたのが大きい。斜面だけを拡大していく様も、それを視覚化する木模型の素晴らしさも、実現したサント・ベルナデット・デュ・バレン協会の詩的な映像も。特に、祭壇に向かってパースペクティブが収束しながら滑り落ちる床はしびれた。本が欲しくなった。探してみよう。


終わった後、初めて夜景の展望室。
相変わらずカップルしかいない中、ぐるっと回る。新しいビルほどガラスの開口率が高いので良く光っている。まあ残業率も高いのだろう。ここからの眺めは全面ガラスなので、宙に浮いてる気分も伴って、視点は合わずくらくらし、遠景なんだか近景なんだか。東京タワーの確かな存在感。でも、やっぱり新宿方面がイイ。手前、道路で十字架状に切り分けられている青山墓地、その先左右に新宿御苑と代々木公園がその背後の新宿高層ビルの過剰な光り方と対象に、大きい三つの闇。まるで、その巨大な闇に追いやられるように高層ビル群に光が密集しているような。あそこには何かいる、絶対。

  • 年賀お年玉全部ハズレ。無念。
  • 逃した。調べてたら出てきた。無念。

「バンカーについて」
監督:ジュリアン・ドナダ
(2003年、15分、カラー、ベータカム、フランス語)
1964年ヌヴェールに建築家クロード・パランとポール・ヴィリリオによって建設されたサント・ベルナデット・デュ・バンレー教会。
『眼は採録し、伝達する。脳は蓄積し、体系化する。精神は記憶し、総括する。魂は真価を見極める。』(クロード・パラン)
建築は、自身に打ち明け、自ずを凝視し、自らを評価する。内部と外部は永遠に併在しながら生きている。従って、一方の解読は、もう一方の解読の鍵を与える。
『バンカーについて』はヌヴェールのサント・ベルナデット・デュ・バンレー教会をめぐる、作品と理論を比較するための建築解読の映画である。

http://www.ifjtokyo.or.jp/culture/cinema_j.html